区議選に立候補した配信者・YouTuberの結果はどうなった? 統一地方選挙2019

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投票率が全体的に低迷するなど関心の低さが指摘される2019年の統一地方選挙だが、一部の配信者やYouTuberの周囲ではそれなりに盛り上がっていた。というのも、配信者やYouTuber自身が選挙に立候補していたからである。果たして彼らの結果はどうだったのだろうか。

 

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ニコ生配信者 NER(國場雄大) 品川区議選 当選

 

ニコニコ生放送の有名配信者として知られる"NER(ネル)"こと"國場雄大(くにばゆうた)氏"。「NHKから国民を守る党」の公認候補者として品川区議会議員選挙に立候補し、全体21位で見事に当選を果たした。品川区の定数は40名であり、比較的余裕のある当選だったといえる。

 

▼当選証書を受け取るNERさん

 

NERさんはニコ生初期から活動する有名配信者であり、最近は放送頻度も減っているが、さすがニコ生の有名配信者というべき数多くの"偉業"がある。

生まれたての姿で珍妙なダンスを披露するぐらいはまだまだ序の口だが、某宗教団体の施設に遊びに行って警察沙汰に発展したり、酔っぱらって靖国神社の狛犬にのぼった姿をフジテレビに晒されるなど、一般的には"ヤバい人"である。

しかし、そうしたマイナスな偉業を抱えているNERさんについて、多くのニコ生リスナーは「たぶんNERさんは当選するだろうな」と予測していた。

それは別にNERさんが好きだから言っているわけではなく、「イケメン」「慶應出身(大学は除籍らしい)」「有名歌手の息子(母親が歌手の仲宗根美樹)」などNERさんのプロフィール要素があまりにも選挙に強そうだったからである。

また、NERさんが所属するN党はシングルイシュー戦略をもとに、NHKの番組内容や受信料の在り方に反感を持つ層から一定の票を集めることで知られている。大選挙区制の珍事といっていいのか、各地でN党所属の議員が20人以上新たに誕生したことも今回の選挙で話題になった。

 

 

恵まれたプロフィールとN党の勢いを考えると、NERさんがギリギリではなく、わりと余裕で当選してしまったのもそんなに偶然ではなかったのかもしれない。

もっとも、NERさんはバックレ癖があったり、前述したように酔っぱらって事件を起こすことがあるため、当選後にとんでもないことをやらかすのではないか、と一部のニコ生リスナーの間で楽しみにされている不安視されている。

 

豊島区YouTuber 笹谷ゆうや 豊島区議選 落選 

 

豊島区議会議員選挙に立候補していた豊島区YouTuber笹谷ゆうや氏

 

▼豊島区YouTuber笹谷ゆうや氏の動画

 

今年3月に東京大学を卒業したばかりの25歳で、高校と大学ではアメフト部に所属していたという。YouTubeなど動画を通じた情報発信の価値を説き、自身のYouTube活動も含めてアピールしたが、結果は残念ながら落選だった。

笹谷氏も前述のNERさんと同じくプロフィール的には強そうだったものの、無所属新人による手探りの選挙戦に伴う準備不足は否めず、笹谷氏本人も準備不足であったことを敗因と考えているようだ。

具体的かつ実現が可能な政策(LINEを使った行政サービス)をアピールしたり、「選挙カーを使わなくても当選できるという新しいモデルケースを示す」と選挙カーやマイクを声の暴力と捉えて一切使わないなど、笹谷氏なりの戦略はあった。

しかし、逆に小さくまとまり過ぎているという印象にもなり得るし、そもそも選挙カーを使わずに当選している議員は今までにもいるのでそんなに新しいわけでもない。

なお、選挙中は主に"豊島区YouTuber"として走り回った笹谷氏だが、もともとは論文などを紹介する"論文YouTuberいさお"という別のチャンネルで活動していた。

筆者は笹谷氏の論文YouTuberチャンネルの登録者数が1,000人以下だった頃からの視聴者であり、中田考氏とのコラボ動画を以前の記事で取り上げたこともある。

 

▼笹谷氏が以前投稿した中田考氏との動画

 

現在でも笹谷氏のメインチャンネルは"論文YouTuber"であり、選挙中に動画を投稿していた"豊島区YouTuber 笹谷ゆうや"チャンネルは、どちらかといえばサブチャンネルの位置づけといっていいだろう。

事実、登録者数の比較では論文YouTuberチャンネルが7,548人、豊島区YouTuberチャンネルが536人となっている(2019年4月23日時点)。豊島区YouTuberを強調した選挙戦も裏目に出たかもしれない。

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前進チャンネル ほらぐちともこ 杉並区議選 当選

 

日本有数のヤバいYouTubeチャンネルとして有名な「前進チャンネル」。その主要メンバーである洞口朋子氏が杉並区議会議員選挙に立候補し、全体18位という余裕のある順位で見事に当選を果たした。 

 

▼当選を報告する動画

 

前進チャンネルでは、施設を24時間監視する公安警察のキャンピングカーを紹介するなど、笑っていいのか笑っちゃダメなのか視聴者としても困るようなヤバい感じの動画を投稿していることでも知られる。

洞口氏は1988年生まれの比較的若い女性候補者であり、今回の選挙はいくらか女性に追い風があったことも余裕のある当選に繋がったかもしれない。

 

配信者育成業 かまたにあすり 渋谷区議選 落選

 

自民党の候補者として渋谷区議会議員選挙に立候補した"釜谷あすり"氏だったが、結果は落選。

 

▼落選のツイート

 

渋谷区議会議員選挙の選挙公報によれば、若手実業家として活躍しているという釜谷氏。フィットネス事業や飲食店経営など複数の事業を手掛けてきたようだが、その中の一つに「ライブ配信育成プロダクション」なるものが記載されていた。

選挙公報に書かれた説明では「トップライバーを育成、輩出し、メディアへのアプローチ」をしていたとのこと。正直、筆者は全く知らなかったのだが特定のライブ配信サイトなどでは有名なのだろうか。

自民党所属ということで、片山さつき、丸川珠代など有名議員も応援に駆け付けたというが落選に終わったようだ。

 

ユーチューバー推進党 高橋ひろむ 大田区議選 落選

 

ユーチューバー推進党という、もろにYouTuber推しの肩書で大田区区議会議員選挙に立候補した高橋ひろむ氏だが、結果は落選だった。

 

▼落選を報告するツイート

 

「好きなことで、生きていける世の中を」というYouTuber感丸出しのキャッチフレーズが選挙公報に記載されていた。チャンネル登録者数は1,000人に満たず、今のところYouTubeの収益はないようだ。

なお、小売業の正社員のまま有給休暇を取って立候補したらしい。

 

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