2019年2月19日、YouTube運営がコミュニティガイドラインの違反警告制度について変更を発表した。規制強化といえる点はあるものの、ライブ配信では事実上の規制緩和になるなど複数の変更点がある。以下、その詳細について紹介したい。
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シンプルな仕組みにすることが目的らしい
2019年2月19日、YouTubeヘルプコミュニティに投稿された『お知らせ: YouTube でコミュニティ ガイドラインの違反警告が適用される仕組みが改定されました』、『お知らせ:コミュニティ ガイドラインの違反: チャンネルへの影響』において、YouTubeのコミュニティガイドラインの違反警告制度に関する変更が発表された。
YouTube側の説明によれば、今回の制度変更はユーザーからの意見に基づき、今までよりもシンプルにされた仕組みに変更するというもののようだ。
たしかにわかりやすくなった部分はあるものの、規制が強化されたといえなくもない変更点もあるほか、逆に事実上の緩和になった部分もあるなど、YouTubeで活動するクリエイターにとって決して影響は小さくないだろう。
主な変更内容
- 1度限りの事前警告制の導入
- 1回目の違反でアップロード1週間停止に
- ペナルティの共通化
- ライブ配信の90日間停止がなくなる
1度限りの事前警告制を導入
これまでのYouTubeでは、いわゆるスリーストライク制が取られてきた。90日間に3つの違反警告を受けるとアカウント停止になる。この原則自体は、今回の改定で基本的に変わらない。
ただし、「1度限りの事前警告」なるものが新たに用意された。
投稿したコンテンツがコミュニティガイドライン違反として判断されても、1度だけは事前警告のみで済まされ、ペナルティも科されないというもの(違反と判断されたコンテンツ自体は消える)。
この「事前警告」はチャンネルに1度しか適用されないようなので、最初にだけスリーストライク制の例外を設けたという形になる。
1回目の違反でアップロード1週間停止に
1回目の違反警告を受けた場合、YouTubeに"新しいコンテンツ"を一週間アップロードできなくなることになった。
今までのペナルティはライブ配信の90日間停止などだったため、ライブ配信を特にしておらず、動画投稿をメインにしていた多くのクリエイターからすれば規制強化ということになるかもしれない。
ちなみに"新しいコンテンツ"とは動画だけを指すのではなく、「新しい動画、ライブ配信、ストーリー、コミュニティ投稿、カスタムサムネイル」を意味する。
ペナルティの共通化
コミュニティガイドラインのペナルティを共通化したというもの。
YouTube運営の説明によれば、動画に対する初回のペナルティがライブ配信の90日間の停止だったことなどについて、多くのユーザーから「わかりにくい」「ペナルティが違反の内容にそぐわない」という声が寄せられていたという。
それならいっそのこと、全部一緒にしようということのようだ。
YouTubeの説明に明記されていたわけではないが、たとえば2回目のカスタムサムネイル違反をした場合、サムネイルに関するペナルティはカスタムサムネイルに限定したペナルティが存在したが、こういったペナルティを統一していくものだと思われる。
ライブ配信の90日間停止がなくなる
YouTubeのライブ配信サービスであるYouTube Liveには最大の欠点があった。それは「90日間の停止」という過大なペナルティだ。
他のライブ配信サイトでは程度の差はあれど、1回目のペナルティでYouTube Liveほどに長い期間のペナルティを科すサイトはあまりない。
一度でも間違えると、約3か月間もライブ配信ができなくなるというのは、配信者(ストリーマー)にとって影響が大きすぎた。
これが1回目は1週間の禁止、2回目は2週間の禁止と優しくなったため、ライブ配信については事実上の規制緩和といってもいいだろう。
透明性の向上と詳細なリソース
違反警告制度の変更に伴い、YouTubeヘルプセンター内にそれぞれ具体的な違反事例の紹介が増えているようだ。
もちろん、すべてを羅列するというわけにはいかないだろうが、具体的な違反事例の紹介が増えれば、どこまでがセーフで、どこからがアウトなのか、より詳細に検討することができる。
また、違反警告の内容がわかりやすくなるように、クリエイターに対する通知内容や方法も改善されるようだ。
なお、今回の制度改定は2019年2月25日から適用が開始されるとのこと。開始後にそのほかの詳細がわかり次第、追記したい。
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