ニコ生発のアイドルグループ「ヌマップ」の"ロハコ"メンバーが亡くなられました。今月初旬から連絡が取れず、安否が心配されていた中での訃報でした。亡くなった直接の原因は判然としませんが、もともと持病を抱えていたことから病気によるものではないかといわれています。
ロハコさんの管理会社に電話で確認したところ
— 野田草履P (@nodasori2525) 2018年6月15日
「警察から家主に連絡があり、亡くなられたと伺っています」と教えて頂きました。
これから管轄の警察署に確認します。
野田草履から聞いた。悲しみを禁じ得ない。
— 横山緑 (@kubotayokoyama) 2018年6月15日
最初のインパクトは忘れられない。
そして必ず見せ場を作ってくれた。
でも、もうその人間ドラマも見ることはできない。
ヌマップメンバー、ロハコの御冥福を心よりお祈りします。 pic.twitter.com/g5NEbazsLe
ヌマップとは?
ヌマップとは、ニコ生雑談配信者を中心に結成された男性アイドルグループ。名前の由来はスマップで、ちょうどスマップ解散のニュースが世間を騒がせている頃に便乗して作られたもの。メンバーの半数は障害者で構成されています。
ヌマップメンバー
- 野田草履
- サダ(精神障害者、マルファン症候群)
- ぽんちゃん(身体障害者、軟骨無形成症(低身長)、水頭症による顎変形と顔面神経麻痺)
- ロハコ(精神障害者)
- シケキノコ
ヌマップ関係者
- 横山緑(プロデューサー)
- リセラ(旧メンバー)
"ヌマ"というのは単純に字面が似ているということもありますが、もともとは知的障害者の蔑称から来たもので「知的障害者→知障→ちしょう→池沼→いけぬま→ぬま」といったネットスラング。本来は使用すべき言葉ではありませんが、ニコ生はアングラ的なものを好む傾向があるので結局この名前に。
ヌマップメンバーの大半が障害者であったこともグループ名の理由の一つですが、しかしメンバーに知的障害者は一名もおらず、"ぽんちゃん"が身体障害者、"サダ"さんと今回亡くなった"ロハコ"さんが精神障害者という構成。"野田草履"さんは通院歴はあるものの障害者ではなく、"シケキノコ"さんは不明ですがおそらく障害者ではありません。
名前からして問題のある"ヌマップ"ですが、株式会社ドワンゴが主催するニコニコ超会議にも公式で出演するなど一応の活動歴はあります。それぞれのメンバーが人気配信者でもあるので、ニコ生界隈ではそれなりに名前が知られていました。
そんな破天荒な"ヌマップ"でしたが結成から約2年が経ち、メンバーの一人"ロハコ"さんが亡くなってしまうという悲劇に見舞われました。ロハコさんの訃報を知ったヌマップメンバーたちは、それぞれニコニコ生放送で追悼放送を実施。しかし悲嘆に暮れているかと思えば、訃報に便乗してお金儲けに走るメンバーが現れたために荒れに荒れる事態になりました。
クリエイター奨励プログラムを巡って炎上
ニコ生では、クリエイター奨励プログラムという視聴者数やコメント数、ニコニ広告(視聴者が配信者を応援するための課金システム)に応じて配信者が収益を得られるシステムがあります。
クリエイター奨励プログラムとは
niconicoの投稿作品に対し、プレミアム会員収入の一部を原資として奨励金(クリエイター奨励スコア)を支払う制度です。
クリエイターの創作活動とコラボレーションの、発展・推進を図ることを目的としています。(ニコニコヘルプより)
このクリエイター奨励プログラム(通称、クリ奨)は人気配信者にもなると相当な金額になり、たとえばヌマップリーダーである"野田草履"さんのような有名配信者になると、月に50万から100万円近くの報酬を受け取っているといわれています。
最近では、ユーザーが課金することで配信者を応援できるニコニ広告がクリ奨のスコアに加算されるようになり、比較的お金に困っていたヌマップの下位メンバーはクリ奨バブルに浮かれているような状態でした。
そうした中で訪れたロハコさんの訃報。視聴者のあいだでひそかに注目されていたのは「さすがに追悼放送でお金儲けに走る配信者はいないだろう、いや、でも、まさか…」ということ。
しかし嫌な予感は的中。ヌマップ下位メンバーがお金儲けに走った挙句、訃報バブルで大量のニコニ広告が課金されて「やったー!」と歓喜してしまうという倫理的に完全にアウトな状況に陥りました。
クリ奨登録で分かれた対応
追悼放送のクリ奨の登録有無について、ヌマップ関係者の対応は分かれました。
クリエイター奨励プログラムの登録を第三者が確認する簡便な方法として、放送終了後のページにある「コンテンツツリーを見る」をクリックするやり方があります。
ここで"この作品は「オリジナル作品表明」をされている為、親作品がありません"となっていた場合、配信者がクリエイター奨励プログラムに登録しているということになります。逆に登録していない場合は"親作品はまだありません"と表示されます。
ヌマップ関係者それぞれのロハコ追悼放送を確認してみると、プロデューサーの横山緑さん、リーダーの野田草履さんは追悼放送のクリエイター奨励プログラム登録を見送りました。一方、障害者系メンバーであるサダさんや"ぽんちゃん"はクリ奨を登録。シケキノコさんは放送が削除されていたので確認できませんでした。
暴走する"ぽんちゃん" 多額のニコニ広告に「やったー!」と叫ぶ
そうした中で多くの非難を浴びたのが"ぽんちゃん"。追悼放送をしているにも関わらず、多額のニコニ広告が課金されたことで思わず喜んでしまったり、そのことをコメントで批判されて逆切れするなど問題発言が相次ぎました。
ロハコ追悼放送における"ぽんちゃん"の発言
- 「(広告)5万円ありがとう!やったー!」
- 「やばい!(広告)10万円いく!」
- 「おれ、金のことしか考えないから!」
- 「早く金よこせよ!」
そのほかにも数多くの暴言を吐いた挙句、"ぽんちゃん"は批判をかわすために他のメンバーに責任転嫁するなど暴走。放送では"ぽんちゃん"を非難するコメントで溢れかえりました。
しかし亡くなったロハコは問題行為も多かった
ところで、亡くなったロハコさんはどのような人物だったのでしょうか。亡くなったばかりの人を悪く言うのも気が引けますが、生前のロハコさんは問題行為が多かったのも事実です。
特に思い起こされるのが通称"5しゃぶ事件"。
5しゃぶ事件とは、お金と住む場所に困っていた"柏木"という男性配信者に対し、バイセクシャルであるロハコさんが「200億円を払うから」と騙して柏木さんの柏木を5回しゃぶったというもの。
200億円という途方もない金額に騙される方も騙される方ですが、このときロハコさんは自身を「電通社員」「資産家」などと偽っており、しかもロハコさんの住んでいたマンションは都心にありました。しかし実際には「電通社員」でも「資産家」でもなく、精神障害者手帳を持つ生活保護受給者でした。
そして実をいうと、今回炎上した"ぽんちゃん"もロハコさんの被害者の一人でもあるというのです。
ぽんちゃんも被害者?
ここまで"ぽんちゃん"について批判的な記事を書いてしまいましたが、"ぽんちゃん"とロハコさんのあいだでは、とあるトラブルが発生していました。
ロハコさんが亡くなる直前の5月末、"ぽんちゃん"はロハコさんの自宅に招かれていました。"ぽんちゃん"の主張によれば、"ぽんちゃん"は、とある女性配信者に恋心を抱いており、ロハコさんがその女性に会わせてくれるのではないかと信じ込んだりした結果、"ぽんちゃん"はロハコさんとキスをしたり、それ以上のことをしてしまいました。このことは"ぽんちゃん"の心に深い傷を残します。
ロハコさんとのアレはマジで人生の後悔。
— ぽんちゃん (@ponniconama) 2018年6月7日
もう二度と関わりたくない。
ヌマップも関わりたくない。
そして今回の問題は、ヌマップ関係者の格差問題という側面もあります。
ヌマップのプロデューサーの横山緑さん、リーダーの野田草履さんはニコ生トップクラスの有名配信者で多額の配信収入があります。一方で、サダさんや"ぽんちゃん"などの障害者系メンバーは収入が低く、とりわけ"ぽんちゃん"はジャグラー中毒で多額の借金を抱えています。
また、前述したニコニコ超会議出演の際には、横山緑さんと野田草履さんには運営からギャラが支払われていましたが、そのほかのヌマップメンバーは当初、無報酬で出演させられていたことが話題になりました。「貧すれば鈍する」という言葉もある通り、収入の格差が下位メンバーの暴走に繋がった一因といえるかもしれません。
波乱万丈のロハコが最後に見ていた放送は柏木の放送だった
ロハコさんは5しゃぶ事件の被害者"柏木"さんとその後和解したそう。
そして生前のロハコさん最後のツイートは皮肉にも、その5しゃぶ事件の被害者"柏木"さんが道行く男性をデートに誘うという放送を視聴中というものでした。
家がなくホームレスをしていた時「いくらでも泊まっていきな」と助けてくれたことは一生忘れません
— 柏木@ニコ生、youtube (@kasiwagi252) 2018年6月17日
その後色々ありましたが最後に和解ができてよかった
「ここは僕ん家だけど、柏木君ならいつでもきていいよ」
僕が最後に聞いた言葉でした
御冥福をお祈りします
男を騙し、男と戯れ、男に憎まれ、そして逝ったあとも男たちを翻弄する配信者ロハコさん。
最低最悪なモンスターであったことは事実ですが、不思議な魔力を持ち合わせた鬼畜なエンターテイナーとしてニコ生史にその名を刻んだこともまた事実。やってきたことを考えると天国に辿りつける可能性は高くないかもしれませんが、ニコ生界に多大なハプニングと笑いを供給した功績を称え、せめてもの気持ちでお悔やみを申し上げたいと思います。安らかに。
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