バーチャルYouTuberブームの流れに乗って注目されているバーチャルキャスト。バーチャルキャストとは、ニコ生などの動画サイトを通じて、VRヘッドマウントディスプレイ(HTC VIVE)を使い、VR空間で視聴者とコミュニケーションを取りながら放送できるというもの(配信ソフト自体は別途必要)。
今月5日には、"ミライアカリ"、"電脳少女シロ"など有名バーチャルYouTuberを集めて行われた「バーチャルYouTuber人狼」というバーチャルキャストを用いたニコ生の番組が大盛況。コメント数が合計約80万に迫るということでニコ生ではあまり見たことのないレベルのすごい量を記録。視聴者の大半がおそらくファンということもありますが、番組の評価自体は上々だったようです。
実質100%
— Re:ミックス@Vtuber好き (@Re_Mix17) 2018年5月5日
#バーチャルYouTuber人狼 pic.twitter.com/gUwypXRLu8
公式番組や企業チャンネルの放送以外にも、すでにバーチャルキャストを使った放送をしている一般ユーザーも存在していますが、放送するためにはVIVEが必要ということで、今のところはあまり多くありません。
今回取り上げるのは、そんなまだまだ少ない一般ユーザーによるバーチャルキャスト放送のBAN事例です。
BAN基礎情報
放送日:2018年5月8日
BAN日時:2018年5月8日
タイトル:VR配信をやってみる【バーチャル生主】
URL:lv313014776
サイト:ニコニコ生放送
処分:管理者による削除
その後
異議申し立てにより翌日、BAN解除
BANされた経緯
BANされたのはニコ生の有名配信者"野田草履"さんのバーチャルキャストを使った放送。
バーチャルキャストを使ったニコ生の放送は、天井からコメントがゆっくり降ってくるような絵柄になるわけですが、ここに初歩的な弱点が判明。
バーチャルキャストのデフォルトの仕様では、生IDでコメントを打つと、コメントを打ったユーザーのアカウントに設定してあるプロフィール画像もブロック体となって降ってくるらしく、これを悪用したリスナーが登場。
自分のプロフィール画像を意図的にポコチン画像に変更。その状態でたくさんコメントを打てば、天空から大量のポコチンが降ってくる地獄絵図を作り出すことが可能に。これが野田草履さんの放送で実現されたわけです。
当然ながら映像的にまずいので、結果BAN。
手法としては古典的
プロフィール画像をポコチンなどにすることで、配信者を意図的にBANにさせる手法は以前からありました。
たとえばニコ生の放送では、ユーザーのIDが見える生IDの状態で悪口を書き込むと、配信者が怒って相手のユーザーページに飛び、それを放送上に晒しながら文句を言う、みたいな光景をよく見かけました。
しかし、中にはこれを逆手に取り、あえて生IDで悪口コメントを書き込み、配信者に晒される流れをつくります。配信者がコメントを打ったユーザーページに飛ぶと、プロフィール画像にポコチンなどのアウトな画像が設定されており、それを映してしまった配信者の放送がBANされる、なんてこともあったわけでした。
そういう意味では、バーチャルキャスト放送でリスナーのプロフィール画像を降らせることができるのであれば悪戯・妨害がとても簡単ということに。野田草履さん曰く、設定でオフにすることもできるようですが、デフォルトで画像が落ちてくるのであれば安心できないとのこと。技術的に面白くても、BANリスクがあるなら使いづらいかもしれません。
ちなみにバーチャルキャストにはモザイク機能もあるようです。それで対応するのも難しそうですが、どうなんでしょうか。
異議申し立ては認められてBANは解除
野田草履さんの放送はBANされてしまいましたが、即日で異議申し立て。
約一日後、不可抗力の事態としてBANは解除されたようです。
まとめ
BAN基準:ニコ生のバーチャルキャスト放送でヤバい画像が降ってくるとBANになる。ただし異議申し立てをすれば解除されることもある。
異議申し立てが認められたことは不幸中の幸いですが、一度BANされてしまった以上、放送のタイムシフトは無効になってしまいますし、放送自体も途中でダメになります。何かしら具体的な改善策があればいいですが、様子見というところでしょうか。
■追記(2018年6月26日)
この件について、niconico運営責任者である"栗田穣崇"さんがツイートしていたので追記します。
本件に関しては、放送者が運営に対してあくまで視聴者の嫌がらせによるものであると異議申し立てをしていただければ、個別に対応しています。
— (く)りたしげたか改 (@sigekun) 2018年6月25日
栗田さん自らユーザーのツイートに出向いてリプライをしているということで、いかにニコ生や栗田さんがバーチャルキャストに期待しているか、ということがよくわかります。
しかし、結局一度はBANされてしまうことはそのままですし、異議申し立てをしてからBAN解除されるまで早くても一日、ケースによっては数日のラグがあるので、配信者としてはまだまだ不安が残るのではないでしょうか。
BAN事例 その15